こんにちは!

Star Brain Academy の津久井(つくい)です。

 

プロジェクト:未来への架け橋」の第2弾・2回目です(全2回)。

 

このシリーズは、スターブレイン アカデミーの生徒(中高生)を対象に

様々なジャンルで活躍なさっている方をお招きして

世の中の仕組みや働くことの意味など、

多岐に渡ってお話をしていただく企画です。

 

また、参加者にスターブレイン アカデミーの卒業生(大学生・社会人)も加わって、

縦の人的ネットワークも広げることも視野に入れています。

 

具体的には、次の3つを意図しています。

  • 中高生と社会経験者や大学生をつなぎ、縦(世代)と横(ジャンル)の繋がりを増やすこと
  • これからの人生を考えるためのヒントを得て、将来の選択肢を増やしてもらうこと
  • 世の中の仕組みなどを、具体的な経験談を通じて学んでもらうこと

 

今回は【勝田一郎さん】をお招きしてお話を伺いました。

勝田さんは、日産自動車にお勤めの間、

国内部門、広報部門、TCSX部門(詳細は後述)といった部門で活躍なさいました。

 

 

 

目次(クリックすると項目に飛びます)

 

前回は、勝田さんの職歴を中心に紹介しました。

(前回の記事 >>> 自動車と仕事について知ろう(1/2)〜プロジェクト:未来への架け橋(4)〜)

 

今回は、勝田さんのお話を通して見えてきた

 

「仕事とは?」

 

というテーマを中心に話を進めていきます。


 

 

3.仕事について語ろう

 

 

ここまでは、勝田さんのお仕事(部門)に沿って

話をまとめてきました。

 

この項目では、勝田さんのお話の背景にある

「仕事の原動力」と「仕事論」を

私なりに解釈して3つにまとめました。

 

【情熱、革新、行動】

 

お話を伺っていて、すべての背景には、

上記の言葉があったように感じます。

勝田さんの「仕事哲学」とでも言うべきものですかね。

 

この言葉は、会社に入って2・3年目のときに

ある上司の行動・仕事ぶりから得られたものだそうです。

 

たとえば、1つの企画をやろうとするときも

昔の資料をコピーして企画書を作るのではなく、

常に革新的に、かつ情熱的に仕事をしている

そんな姿に感銘を受け、

「自分もそうなろう!」と心に刻んだそうです。

 

【マネージングと美田】

 

「マネージングの語源を知ってるか?」

 

唐突にこの質問がきました。

「管理」という言葉(というよりは訳語)で

わかったような気持ちになっていましたが。。。

 

managingとは[ man+aging ]、

つまりは、人をしっかりと見て、育てる

 

現在では、コンサルタントをなさっている勝田さんは、

コンサル先の企業に赴いた際に

次のようにお話しなさるそうです。

 

「人生が80年で、部下と3年一緒に働くとしたら、

80分の3の人生を預かっていることになる

その3年間の、マネージャとしての自分の一言が

相手にはものすごく刺さっている。

マネージャーというのは、

そのくらい重要な仕事をしてるんだ。

好き嫌いや、合う合わないではない。

そういったことを超越したところにある。

たとえ嫌いでもちゃんと評価すること、

やったことをちゃんと見てあげること。

人に深く関わっていることを考えて

責任を持って行動しなさい。」

私たちは、スターブレインにて

教育に携わっていますが、

これは、マネージャーだけではなく

人を教育する立場にある教師・講師として、

そして次世代を育成する大人としても、

非常に深い箴言だなと思いました。

 

さらにお話は続きます。

 

次の世代に美田を残せ!

人に深く関わるようになると、

“イマ”ではなくて

少し先のことを見据えるようになる

 

そうして、先へ、先へと考えるようになると、

自分がいなくなったとしても

その時に芽吹いてくれる種が蒔かれている。」

 

【君は、ファイトしてるか?】

 

勝田さんが日産の後輩に会う時、

必ず「ファイトしてる?」と聞いているそうです。

 

仕事が一番できるのは、35−45歳

頭の回転も早いし、体力もある。

 

その時に何を出そうとし、どうファイトするか。

 

この時期にファイトすると、

「面白そうだな、アイツについて行こうかな」

と思われる適齢期がこの年代だそうです。

(私は真ん中の39歳です)

 

ファイトというお話をなさる時に

1つの例として出てきたのが

先ほどの項目出てきた「新型セフィーロ」です。

 

セフィーロが世に出た時の、

勝田さんの「ファイト」ストーリーを紹介します。

 

販売当初は、ある広告代理店と契約をして

キャッチコピーとデザインをお願いしたのですが

出てきたのはありきたりで、どの車にでも当てはまるもの。

 

「セフィーロのためのPR」と考えていた勝田さんは

出てきた案に納得が行かず、何度もやり直しを。

 

結果、別の広告代理店と組むことになり

そこで出てきたのが、糸井重里さん。

糸井さんに会い、コンセプトを伝えて出てきたのが

 

「くうねるあそぶ。」

 

「食べて、寝て、遊ぶ」だけというのは贅沢の極み。

そういったラグジュアリーな瞬間のために

セフィーロは、ある。

 

名コピーの誕生ですね。

 

しかし、まだお堅い社風の残る日産社内では猛反対。

それでも勝田さんは諦めませんでした。

次々と出てくる代案を認めず、

頑ななまでに「くうねるあそぶ。」を訴える。

 

最後の最後で営業会議を説得した言葉があります。

 

「僕は今ここにいる誰よりも日産を愛している。

だからこそ、これでやりたいんだ!」

 

背景には、日産に対する愛社精神と

絶対にセフィーロを成功させるという情熱がありました。

 

そして私たちに一言。

 

「会社と仕事を愛すること

この気持ちが100%でる企画ならば

絶対に通る。」

 

このお気持ちが勝田さんの仕事の原動力なんですね。

 

今でも「ファイトしてきてよかったな」と

振り返ることができるようです。

 

思わず、” Fight for Liberty! ” 浮かんできましたね。

チャップリンの『独裁者』の言葉です。

是非1度はご覧ください。


  

 

4.Q&A

 

最後に、参加者からQ&Aの時間を取りました。

 

Q.日産自動車に決定した要因は?

A.車が好きだったのが一番大きい。

他にも就職先はあったようですが、

最終的に日産自動車にしたとのこと。

やはり好きな車に関わることが大きかったようですが、

実はもう一つ要因があったようです。

 

それは、「転勤の有無」。

リクルーター(就活生とコンタクトを取り採用を促す社員)から、

「東京の会社だから、転勤がないよ」と言われたが、

実際は単身生活が11年もあったようです(笑)

 

Q.座右の銘は?

A.得意淡然、失意悠然(とくいたんぜん、しついゆうぜん)

勝海舟がこよなく愛し

中国の故事からきている言葉のようです。

他にも言い方はあるようですが、

勝田さんはこの言い回しを気に入っておられるとのこと。

 

得意なときでも胸を張らずに淡々としなさい。

失意のときでも落ち込まず悠然としていなさい。

 

いい言葉ですね。

今日から私の座右の銘になりました(笑)

 

Q.何をしている時が楽しいか?(趣味)

A.ゴルフとドライブ

「下手の横好き」とは仰ってましたが

ゴルフはずっとやっておられるようです。

気の合う仲間と共有できる時間を

大切になさっているのですね。

 

また、やはりドライブはお好きなようで

京都で会議があるときでもほとんとは車で通勤なさる程!!

11時の会議だと、朝の5時に自宅を出発するようです…

 

ちなみに乗っておられる車は………

日産……ではなく、BMW!(笑)

(お仕事の関係もあるそうです)

 

Q.経営者と意見が食い違う時は、何をすれば良いか?

A.全てはデータが基本。それを元に、判断をしてもらった上で、自分に何ができるかを考える。

自動車ディストリビュータ(卸のようなもの)に対してのサービスで

経営者(マネージャ)と意見が食い違っている時

どのようにして経営者を折り合いをつけていくのか、という質問でした。

 

答えは「データ(エビデンス)

 

サービスを自社だけで追及すると、

時として「過剰サービス」になってしまう。

競合他社を徹底的に調べて

最適なサービスを考える元を提供することが重要。

 

その上で、競合他社と同じ水準にするのか、

それとも競合他社よりも上をいくのか。

 

最終判断を下すのは、あくまでも経営者。

ゴールが決まったら、自分の仕事が出てくる。

 

ストック量は?流通は?

それらはお客さんの目線から適正レベルを導き出す。

自分たち視点では決してやってはいけない。

 

Q.サービスとは?

A.常にお客さん目線で。

1つ前の質問に絡めて、

「サービスとは」に話が進みました。

 

サービスの基本は「お客さん目線」。

 

日産のFUGAの場合、

FUGAに標準装備されている機能を使っている人は

60%だったそうです。

残り40%の人にとっては

無用の長物ともいえる機能。

 

本当に顧客が望んでいないものなら

むしろ無くして、価格を安くするなど

サービスのやり方はいくらでもある。

 

ただし、未来思考の商品は別問題。

お客さんは「今」を基準に判断してしまうものです。

 

日産LEAFは新しいカテゴリーの車で

ギアはこれまでのようなレバーではなく

ボタン仕様になっています。

 

「未来の車はこれがスタンダードです!」

というメッセージも含めて

全く新しい概念を提示することもあるとのことでした。

 

 

Q.部下と接する時に気をつけることは?

A.人の根源は「認められたい」。この気持ちを忘れないように。

心理学がすごく役に立ったと仰っていました。

人の心理に沿って、どのような言葉を投げかけるか

どういった環境を整えてあげるか。

 

例えば、ある職種で考えると

合っていない人がいたとしても、

それは適正の問題かもしれません。

 

その人が一番能力を発揮するのは

どんな分野・部署なのかを考えて

良い環境を整えることも大事なのです。

 

さらには、時代によっても

モチベーションの上げ方は違います。

 

勝田さんの時代は戦後時代で

みんなが同じ方向を見ていた時代でした。

 

でも、今は皆が違います。

多くの選択肢、生き方があり

人によって大事にするものが違います。

 

「喝采症候群」という言葉ができたように

人の承認のされ方にも、変化はあります。

 

その時代、その人物に合わせて

どのようなアプローチが一番良いのか、

どうすればその人が一番幸せになれるのか

そのヒントが隠されている気がしました。

 

最後に

 

今回は勝田さんにお越しいただき

お仕事に関してのお話を伺いました。

 

その時の動画を繰り返し見ながら

このブログを書いているのですが、

何か節々に刺さるなと感じていました。

 

柔和な表情の中に

垣間見せる真剣な眼差し。

 

穏やかな口調の中に

重厚に響く言葉。

 

「この背景には何があるのだろう?」

と思いを巡らせていると、ふと、

 

「ああ、自分の父親だ!」

 

勝田さんも、私の父親も

戦後直後に生まれ、

日本の成長を支えてきた世代です。

 

復興期の日本を支え

今の基盤を作ってきた世代の方には

「世の中を良くしようとする情熱」を

強く感じました。

 

この世代の方がたから受け取ったバトンを

次の世代に渡していくことが

私たち世代の使命かなと思っています。

 

いかがでしたか?

前回が「商社」、今回が「自動車」と

日本を代表する産業に携わった方のお話を伺いました。

 

時代とともに変わっていく

社会のあり方、仕事のあり方。

 

そして、個人の生き方も

大きく変化していくことが予想されます。

 

様々な分野で活躍なさる方のお話を聞くことには

自分たちの進む道を考えるヒントが多く隠されていると思います。

 

「未来への架け橋」プロジェクトはこれからも続きますので、

お楽しみに!