こんにちは!Star Brain Academy の堀です。

夏休みも残りわずかですね。

受験生の皆さんはセンター試験対策は進んでいますか?

今回は具体的な「センター数学対策」についてみていきたいと思います。

Ⅰ・AとⅡ・Bでそれぞれのポイントを見ていくのもいいですが、そのようなことは他の方々や参考書にもあるので、堀の私見をつらつらと述べていくスタイルでいきます。

使えそうだなということだけを拾ってみてもいいと思いますよ。

選択問題は事前に決めておこう

数学Ⅰ・Aには選択問題があります。「場合の数・確率」「整数の性質」「図形の性質」の3題から2題選択です。

試験時間は60分ですから、試験当日に3つの選択問題をすべてみてより得点できそうな問題を選ぶのはおすすめできません。

幸い(?)これらの3分野は大抵の場合、得手不得手がはっきりしていますので、最初から「整数と図形」とか決めておきましょう。

よほど図形に自信がない限りは「確率と整数」がおススメです。

2次・私大において整数問題、確率は定型的でない問題になりがちで思考力を試すにはうってつけのテーマです。

しかし、センター試験の本来の目的は

「各大学の凝った問題ではなく、教科書内容の理解を標準的な問題でチェックする」

ことにあるため、教科書的な内容が多いため定型的で対策しやすい問題が多いのです。

図形はハマってしまうことが多く、どうしようもないことがあるため、おススメしません。

また「図形の性質」のテーマはぶっちゃけ2次・私大ではほぼ出ません…。

整数、確率は多くの大学で出題されるため、2次・私大の対策にもなり一石二鳥というわけです。

なお、数学Ⅱ・Bにも選択問題がありますが、ほとんどの受験生が「数列」と「ベクトル」を選択しています。

学校などで「統計」をしっかりと学習しているのであれば、「統計」の方が計算量が少ないことが多いのでなしではないでしょう。

2020年からの新テスト(共通テスト)では、統計が選択問題の最初にくるようです。国としては「統計」をしっかり学習して欲しいんでしょうね。2022年からの次の指導要領では、「検定」なんていうテーマが数学Ⅰに降りてくる予定です。現在中学生の方は要注意ですよ。

 

データの分析について

センター試験のみに登場する分野とえば、現課程から出題範囲になっている「データの分析」です。

現課程になってから、次で6回目のセンター試験です。そろそろこの新しい分野の出題も固まってたように感じます。

  1. ヒストグラム、箱ひげ図、散布図を選択させる問題
  2. ヒストグラム、箱ひげ図、散布図から判断できること、できないことを問う問題
  3. 変数変換による平均、分散、標準偏差、相関係数などの値の変化を問う問題

この辺が頻出なテーマです。

1.については、四分位数や最大値、最小値に注意すれば難しくありません。

2.が難しいです。選択肢が8つ程度ありこのうち2つの「正しいもの」または「正しくないもの」を選ぶ問題です。これが簡単に解けるテクニックはないと思います。選択肢で言及されていることが言えるかをデータから判断するしかありません。なんとなくで答えると間違えるので、しっかりと根拠を考えるようにしましょう。

3.については、繰り返し出題されているので、XaxbYcyd という変数変数でそれぞれの値がどのように変化するかをしっかりと理解しておけば簡単です。例えば

問.データの各値に5を足したら、分散はどのように変わるでしょう?

答は「変わらない」です。

分散は散らばり具合を数値化したものですから、散らばりは変化しませんよね?このように定性的にも理解しておきましょう。

昨年の最後の問題などは、数学Bの「統計」を学習していないと厳しい問題で、どうしても統計を学習して欲しいというメッセージをヒシヒシと感じますが、センター試験は時間との闘いですから、一旦保留して先に進むことも必要です。

 

場合の数・確率は単純にすべて数えることも実戦的!

以前の最難関大の確率の問題は、数列との融合問題がほとんどでした。さすがに受験生もこの対策をしてきていて、できがよく差がつかないためか、この数年は単なる数え上げの問題も見かけるようになってきました。

と思ったら、2019年度のセンター試験では、いわゆる確率漸化式の考え方の問題が出題されていました…。

う~ん、数学Ⅱ・Bを学習していない受験生もいるわけで、ちょっとアンフェアですね。

少し脱線しましたが、センター試験の確率の問題はそこまで分母が大きくならないことが多く、うまく華麗に解くよりも四の五の言わずに書き出してしまえば、ほぼ最後まで一気に解けてしまうことも少なくありません。もちろん、全事象が多いと無理ですけどね…。

 

数学Ⅱ・B時間足りない問題

毎年次の日くらいに、私も受験生になった気持ちでセンター試験の問題を解きます。Ⅰ・Aは上述の通り思考力を問う問題もあるわけですが、各分野をしっかりと理解している人にとってはなんてことはないので、20分程度を残してだいたい解き終わります。2019年だとデータの分析の最後の問題を保留していて、最後にゆっくり考えたように記憶しています(合ってましたよ!)

一方、Ⅱ・Bの方は毎回結構ギリギリです…(^^;

とにかく分量が多いのがⅡ・Bの特徴です。まぁ、Ⅰ・Aと逆でひと頃よりは楽になったような気もしますがそれでもまだ多い!

「次は〇〇をしなさい」的な誘導だらけなので、解法で迷うことはほぼないはずです。

問題は計算をいかにスピーディにこなすかでしょう。なるべくショートカットできる箇所を逃さないことがポイントになってきます。

いくつか挙げてみると

  • 微積分の面積計算では、1/6公式だけでなく、他の有名な構図にも慣れておくこと
  • 整式の除法では、係数だけを書く。1次式で割るときは組立除法を使う
  • 3次関数のグラフの対称性を意識する
  • 同様の計算を繰り返さない (文字を入れ替えるだけなんてことも多い)
  • 数列は場合によっては書き出した方が早い (確率と同じ)

といったところでしょうか。

この辺はすぐに身につくことではないので、過去問やマーク模試を演習するたびに何かお得なことがあればその都度積極的に吸収していくしかないと思います。特に計算方法については、普段から使わないと急にできることではないですしね。

最近は数列が難しいですね。あまり普通の問題ではないような気がします。誘導もわざとあまりない方向になっていることも多いです。前半の指数・対数、座標平面はできるだけ時間をしけないで、ごちゃごちゃしている三角関数や数列に時間をかけられるとよいでしょう。

 

試験問題の分析をしよう

これはセンター試験に限ったことではありません。センター試験はこれまで20年以上続いています。新課程でもすでに5回分の過去問があります。このブログをはじめ、すでに他人がした分析を読むことも大切ですが、自分で問題を分析することはもっと重要なことです。

例えば、ベクトルが苦手だとしましょう。そしたら、センター試験のベクトルの大問だけ数年分解いてみて

  • どのような問題がでているか
  • 自分のできはどうか。何ができていて、何ができないのかを把握
  • 分析をもとにやるべきことを決めて、実行する

という手順を踏んでみてください。

上のことをいうと「いや、解いた都度なんとなくは振り返っているんですよ」という人が多いです。なんとなくではなくリスト化するなどして「見える化」することが重要です。直前に解いたものなら頭に残っていますが、3回前に解いたセンター数学の様子を覚えている人ってほぼいないんじゃないでしょうか。見える化すれば

実は似たようなことが聞かれていて、自分が躓いているところはいつも同じ部分

なんてことも分かるかもしれません。

StarBrainでは、この作業を志望校に合わせて生徒達と一緒に行っています!

すると、自然とやるべきことが確定してくるので、それをこなせば実力がついていきます。

 

最後に

色々と書いてきましたが、最後に一言

「センター数学はⅠ・Aを解きましょう!」

ん?と思われるかもしれません。

センター試験の数学は「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・A」で一冊の冊子になっているのです。そして、最初は「数学Ⅰ」です…。

もうお分かりだと思いますが、間違えて数学Ⅰを解きはじめ気付いたときには手遅れ、という悲惨なことが例年起こっているようです。

国立一本であれば、それだけでほぼ浪人確定という事態です。対策も重要ですが、しっかりと足元を確認しましょう。

 

「過去問で問題分析を!」と言いましたが、現高2生はそれができない唯一の学年です。2020年からの新テスト(共通テスト)は試行調査の2回分のセットといくつかの問題例しかありません。これらの分析はもちろん必要ですがデータが少なすぎます。

十分な思考力と計算量を身につけておく、という当たり前のことを大切にしましょう。

数学に王道なし

ということでしょう。では、また