こんにちは!

スターブレイン アカデミーの津久井です。

 

少し前の話になりますが、2016年3月31日に今後の受験を大きく左右する、ある発表がされました。

それは、、、

 

文部科学省による『高大接続システム改革会議 「最終報告」』です。

 

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タイトルだけだとイメージがつかない人も多いとは思いますが、新しい発表がなされるたびにメディアをにぎわせている「2020年から実施予定の新受験」に関しての“最終報告”が発表されました。

 

この発表を受けて、このブログでは「シリーズ 大学入試改革 in 2020」と銘打って、大学入試改革(新受験)に関連させて、いろいろなお話をしたいと思います。

 

思い立ったきっかけは、スターブレイン アカデミーで相談会や体験授業を実施した際に、必ずと言ってよいほど質問を受けるからです。

それほどまでに関心の高いことなので、文科省の発表、専門家の意見、予備校・中高の指導現場での見解といった様々なソースを元に、情報を提供するだけでなく、どのような対策ができるのかまでをお伝えしたいと考えています。

 

 

大学入試改革(新受験)の骨子

そもそも今回の大学入試改革(新受験)とは、どのようなものなのでしょうか。大きく言うと、次の5つが骨格です。

  1. 「学力の3要素」の定義
  2. センター試験の廃止と新テストの導入
  3. 大学入試(一般入試・AO入試・推薦入試)の見直し
  4. 多面的・総合的な評価制度の導入(記述式回答・面接・ディベート・高校での活動記録…)
  5. 民間テストの利用(英語4技能のみ=見る・聞く・話す・書く)

 

このシリーズでは、この5つを軸として話していきます。

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そもそもいつから変わるのか?

何がどう変わるかは次回以降にブログに書きますが、今回はいつから変わるのか(=誰に関係するのか)を中心に書いてきます。

先に結論を書いておくと、重要なのは2点です。

  1. 2020年をめどにしているが、本格的な実施は延期の可能性が高い
  2. プレテストなどの準備段階を含めるとすでに変化が生じている

以下、上記2点について考えて、誰にとってどのような対策が必要なのかを示したいと思います。

 

1.2020年をめどにしているが、本格的な実施は延期の可能性が高い

 

このシリーズのタイトル(大学入試改革 in 2020)にもある通り、本来は東京オリンピック開催と同じ年に実施の予定でした。つまりは、今の中学2年生(2016年度現在)から、「新受験」での入試となる予定ではあります。

 

しかし、この会議(高大接続システム改革会議)が行なわれている当初から、実施時期には懐疑的な意見が多くあったのも事実です。

 

最大の原因は、教育現場からの反発です。

 

「学力の3要素」を定義したとはいえ、それらをどう伸ばすのか、具体的に入試にどのように組み込まれるのかが曖昧な点は否めません。(ちなみに、文科省は「(1)知識・技能、(2)思考力・判断力・表現力などの能力、(3)協働して学ぶ態度(チーム力)」と定義しています)

 

私は予備校で教鞭をとっていますが、そういった事情もあり、昨年末あたりには「事実上の延期」という情報がまことしやかに流れていました。

 

また、文科大臣が下村元大臣から馳現大臣になったことも大きな変更です。馳大臣は、日経新聞の取材に対して「大学や高校、保護者らの意見を踏まえ、できる限りの合意を得て進める。スケジュールありきでよいのか」との旨の発言をしたと伝えられています(日経新聞 2015年11月4日付 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG02HEL_T01C15A1CR8000/)。

 

 

2.プレテストなどの準備段階を含めるとすでに変化が生じている

 

では、「大学入試改革先送り=対策は先でよい」となるのかといえば、そう単純でもないようです。その根拠は、文科省発表の改革日程にあります。

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※ それぞれの試験の内容に関しては、後日述べます。

 

当然といえば当然ですが、本格実施の前に「プレテスト(試行実施)」があります。いろいろな実験を重ねて、よりよい試験が行えるようにするわけですが、その中で徐々に「学力の3要素」の実践的なイメージが固まってきて、導入を早めて入試を実践する大学が出てくる可能性があります。

 

事実、すでに英語の試験に外部試験を導入している大学(上智大学、立教大学・中央大学・青山学院大学・東京理科大学…)もあれば、来年度の入試から早稲田大学や明治大学も、一部の学部で英語の外部試験導入を発表しました。(TEAP入試採用大学 http://www.eiken.or.jp/teap/group/list.html

 

さらには、東京大学の「推薦入試」や京都大学の「特色入試」といった、従来の入試とは一線を画す入試はすでに始まっています。

 

東京大学「推薦入試」>>>http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_26_j.html

京都大学「特色入試」>>>http://www.nyusi.gakusei.kyoto-u.ac.jp/tokushoku/

 

以上のことを考えると、「予定通り2020年度から入試が変わる」というよりは、「2020年度に向けて徐々に変化をしていく」という考え方の方がより現実的なものです。

そして、意欲的な大学はすでに、新しい時代の入試を導入しています。

 


★☆ 今回のまとめ ★☆

 ・「大学入試改革 in 2020」の骨子は5つ:(1)学力の3要素の定義、(2)新テストの導入、(3)大学入試の見直し、(4)評価制度の導入、(5)民間テストの利用

 ・実際の実施時期は2020年よりも遅くなる可能性がある。

 ・意欲的な大学は、すでに新しい時代の入試を始めている。


 

次回は、民間テストの利用例を中心に、東大の「推薦入試」といった具体的な大学の入試制度を取り上げます。

 

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