塾長の建島でございます。

 

最近、眠りについて学び直しております。

そこで、今回は睡眠について、「なぜ睡眠が学習に大事か」という点をお話差し上げたく存じます。

タイトルにある「眠育」とは、私の造語です。(もしかして、他の方も使っているのかも知れませんが…)

 

この頃、中高生から「疲れた!!」とか「やる気が起きない」との声が頻繁に聞かれます。はじめのうちは、サボりたいのかなと思い聞き流していたのですが、どうも本気らしく、自分でも疲れとかやる気のなさを持てあましているようなのです。

よく見ていると、以前の子供達とは、疲れの質が違ってきているのを感じます。

 

そこで、個々に話を聞いてみると、どうも原因は睡眠習慣にあると気づきました。睡眠についてよく知られているのは、夜10時から午前2時にかけて、成長ホルモンが多く分泌されるので、この間寝ないで起きていると背が伸びないということです。

しかし、この頃の調査では、睡眠習慣が定着していない生徒は、集中力や学習意欲が低下し、学力が伸びにくいということがわかってきました。

その原因の一つに、睡眠の短い子供は、脳の海馬の灰白質が少ないという結果が出ています。海馬は新しいことを記憶する領域で、アルツハイマー病やうつ病に関係する重要な部位です。因みに海馬に支障をきたすと、匂いに鈍感になるようです。

私たちは、脳の働きを保つために眠りが必要です。脳を守るために眠っています。そして、睡眠というのは、脳の情報処理能力を保つために脳自身によって作られているので、脳が健康でなければ、良質の睡眠も作られないのです。

 

体内時計をきちんと作り、睡眠のリズムを定着させることは、新生児の時から行われているはずですが、この頃驚きの発見がありました。我が家に新生児とそのお母さんが滞在した時のことです。新米ママには、自分の母親がいなかったため、産婦人科で教わった事を忠実に守っていました。

様子を見ていると、新生児がぐっすり眠っていても、時間がくると起こして授乳をしているのです。起こされた赤ちゃんは泣きます…。

見かねて「◯◯ちゃん(新米ママ)、あなたが、ぐっすり眠っている時に起こされて、無理やり食事を食べさせられたらどう?」と聞いてみました。すると「……!?」

「つまりね、あなたが育てているのは人間の赤ちゃんで、動物の飼育ではないでしょ。母親から離れた人工飼育なら、時間を決めて人工授乳するけど、母親と一緒の牛や羊は赤ちゃんが欲しいと思った時に母乳を飲むわよね。」と説明すると、「なるほど!!これで私も授乳時間に目覚ましで起きなくても、ゆっくり寝られる」と納得していました。

体内時計や睡眠習慣がついていない原因は、こんなところにもあるのかも知れないと驚きました。

では、中高生になって、この体内時計や睡眠習慣を修正するには、どうしたら良いのでしょうか。

一番簡単な方法は、日の出の時に朝日を浴びる事です。大変かも知れませんが、3ヶ月間朝日を浴び続ければ、体内時計は正常に働き始めます。

人の一生を考えた場合は、3ヶ月はほんの一瞬ではないでしょうか。

真剣に「眠育」について考えなくてはいけないと痛感している今日この頃です。

皆さまも、これを機会にご一考ください。