こんにちは!
スターブレインの堀です。
「JUKEN羅針盤」第2回は「受験のリアル」です。ここ数年、私が予備校や塾で教えていて感じるひと昔前の常識といまのズレを紹介したいと思います。
2020年からの「大学入試改革」によって、大学入試がガラッと変わるかどうかは蓋を開けてみなければわかりません。
しかし、このような大きな改変がなくても、10年くらい前と今を比べるとかなり異なっていることを感じます。
いま受験生のお子様をもつ保護者の方からすると
「東大や東工大、一橋大を目指していたら早慶合格は自動的についてくるもの」
と思っていませんか?
確かに、東大に受かった子はそれ以外の大学にも合格することが多いことは確かです。しかし、ここ数年
- 早慶の理工学部は両方ダメだったが、東工大に受かった
- 私大はすべてダメだったが、一橋大に受かった
- MARCHはすべて落ちたが、早稲田大に受かった
- 模試ではA判定だった大学に落ちた
などの話をよく耳にするようになりました。
もちろん、試験は1回限りですからそのときの調子によっては本来、東大や東工大、一橋大に受かる生徒がたまたま早慶に落ちるようなことはあるでしょう。
しかし、どうもひと昔前より断然このようなケースが多くなっているように感じるのです。
ひとつの要因は、文部科学省による私大の定員管理の厳格化があります。
これは大都市圏に学生が集中することを防ぐための政府の政策で、従来は入学定員の1.2倍を超えると補助金が全額カットされていたところが1.1倍まで引き下げられたのです。次の表はこの政策の前後での合格者の増減です。
補助金の話は、分かりやすい要因ですが、入試問題をみても思うところがあります。一例として、私の担当の数学では
- 東工大では、数学Ⅲ範囲からの出題がメインだったが2016年は数学Ⅲからの出題は第5問の1題のみだった
- 一橋大が2017年に1993年から25年連続で出題していた確率を出題しなかった(また、この年はいつも大問1にあった整数問題が第2問にありました)
などのことが印象に残っています。特に東工大はひと昔前は微分積分ばかり出題していたイメージですが、最近は全分野からバランスよく出題されていることが多いです。だから、
東工大志望だから、微積分を重点的に対策して、整数や確率は勉強しない!
なんて極端なことをしてしまうと「東工大はもちろん早慶にも受からない」なんてことになるわけです。
Star Brain Academy では、最新の入試事情に通じた講師達がひとりひとりの志望に合わせた学習プランをチームで作成しています。
というわけで、現役予備校講師が感じる「受験のリアル」をお届けしました。いかがだったでしょうか。
2020年の大学入試改革ではさらなる変化が起こるかもしれません。11月10日、11日にはセンター試験に変わる大学入学共通テストの試行調査が実施されます。
こちらも当ブログにて分析していきたいと思いますのでお楽しみに!