こんにちは!Star Brain Academy の津久井(つくい)です。
前回から始めたシリーズ
「これからの英語の話をしよう」
の第2弾です。
前回アナウンスしていた通り、
「文法は必要か?」という疑問を紐解きながら
英語の学習についても話をしようと思います。
ただ、途中で熱くなり
量が膨大(3000語以上!)になってしまったので
2部構成にしています。
前半は、文法の問題点を中心に否定的な視点で、
後半は、前半を受けて如何に付き合うべきかを提示します。
本編を始める前に
前回(アノトキの英語とイマの英語)の
振り返りをしたいと思います。
前回は、20年ほどの英語の指導経験をもとに
英語教育の昔と今を比べました。
授業で感じた変化(構文主義から長文主義への変化)は
子ども達が時代の変化(スピード重視)に適応した結果と
推測しました。
そして、今後必須となる「プログラミング」に
構文的な要素を期待すると締めました。
今回は、前回の話の中にも出てきた「文法」に
フォーカスを当てて話をしていきます。
毎年毎年、授業が始まると必ず出てくる質問。
「先生〜、文法ってぇ要るんすか?」
という質問。
おそらく(というか絶対)
期待している答えは、「要らないよ。」
ということで、「要らないよ」と返答すると
「え…本当にいいんですか?」と戸惑う生徒たち。
もう毎年の恒例行事になっていますね。
かくいう私も「文法嫌い」だった1人でして
文法を本格的に学んだのは
大学生時代に塾講師をしながらでした。
さすがに、人に英語を教えるのに
「文法はわかりません」はまずいなと
文法・構文を必死になって勉強しました。
市販されている参考書や問題集を
100冊ほど買って、一気に読み、問題を解きました。
そして自分で理解したことを
授業で教えてみて、生徒の反応を見る。
反応の悪い部分をさらに改善して授業、、、
と、毎週が勉強の日々でした。
でも、楽しかったですね。
ほどなくして、問題点が見えました。
それは、
文法は教える側の論理で成り立っている
ということです。
例を出しましょう。
「時制」はほとんどの参考書・問題集で
最初に位置しています。
文構造を考えなくても説明がしやすいからですね。
(この点は賛成です)
ですが、いざ時制の内容となると、
「これは過去完了形の継続用法です」
「現在時制では、習慣や科学的な事実、不変の真理を表します」
など、哲学の授業かと思うような言葉がゴロゴロと…
さらには、分類も細かくされています。
現在形、過去形、未来形、現在進行形、現在完了進行形……
などなど、細かく言えば12通りのパターンが出てきます。
そこに、完了形の用法がさらに細かく……
なぜ、こんなに細分化されているかというと
教えるのが楽だからです。
「これは◯◯の用法だから、ウが正解!」
って、いかにも説明しているように感じてしまうものです。
とは言っても、こうなってしまうと
生徒はたくさんある用法や使い方を
覚えないといけないと思ってしまいますね。
これでは文法嫌いになっても仕方ありません。
本来、時制の分類は、
[現在・過去・未来]の3つの基本時制と
[進行・完了]という2つのニュアンスでできています。
この組み合わせ(3×2×2)で
先ほどの12分類が出来上がってしまうのです。
あとは、それぞれのイメージを広げるだけなのに、
なぜか細かい分類にしたがって
問題を解くのが主流になっています。
先程「文法は教える側の論理でできている」と
話しましたが、もう少し詳しく見ていきます。
さて、今回のテーマである「文法」という言葉。
皆さんは「文法」をどう捉えているでしょうか?
「基本」
「堅苦しい」
「話せれば要らない」
色々と意見はあるでしょうが、
ここでは次の3つで文法を捉えていきます。
文法のための文法(趣味)
読解のための文法(ルール)
品格のための文法(教養)
「文法って要るんですか?」と
聞いてくる生徒のほとんどは
1つ目の「文法のための文法」のことを言っています。
残念なことに、今の入試問題や参考書にも
この「文法のための文法」が未だに多くあります。
そして私が「要らない」と言っている文法も
ここに属する文法です。
英語が好きで、趣味でやる人はよいのですが
「基礎が大事だ」とだけ繰り返して
文法を繰り返しやらせることには疑問を感じます。
と、ここまでは「文法」に関する問題点を
述べてきました。
後半では「文法」に対して肯定的な視点で
話を進めていきます。
それでは!