2年位前のことです。生徒さんたちの集中力や記憶力、暗記力の低下が目立ち、理由を探ったところ、異常なほどスマホを使用していることに気付きました。そこでスマホ使用時間を大幅に減らしたところ、会話も増え、集中力や記憶力、暗記力も回復したのです。
皆さんもテレビを見ながらスマホをいじる、パソコンを立ち上げスマホをいじる、などやっていませんか?
物忘れはそのスマホが原因かもしれません。スマホによる脳過労度をチェックしてみましょう。
<行動チェック>
- スマホはいつも手元にスタンバイ
- 時間が空いたらスマホを取り出す
- 疑問が浮かんだら、すぐ検索
- 覚えておくために「写メ」を撮る
- スマホなしでは初めての場所へ行けない
- スマホ以外で調べものをしない
- いつも時間に追われている
- 情報に乗り遅れることが怖い
- 着信音やバイブレーションの空耳が聞こえる
- 夜、布団の中でスマホをやっている
<脳チェック>
- このごろ物忘れが増えた
- 知っている人の名前がすぐに出てこない
- 何かを取りに来て、その目的を忘れる
- 約束をド忘れする
- 3日前、何をしていたか思い出せない
- ここ数ヶ月の「話題になったニュース」を3つ挙げられない
- 最近、漢字が書けなくなった
- 最近、簡単な計算を間違える
- 検索すればわかることは覚えない
- スマホに頼り、道を覚えられない
<心身健康チェック>
- 頭も体も、いつも疲れている
- イライラして、感情を乱す
- いつも睡眠不足状態
- 体のあちこちにいろいろな不調を抱えている
- 集中できず、凡ミスが増えた
- やる気が起きず、興味もわかない
- すぐ落ち込む
- 仕事、料理、掃除、片付けなどの段取りが悪くなった
- 最近、あまり笑っていない
- 季節の移り変わりに鈍感になった
0〜9個:危険性(低)、10〜19個:危険性(中)、20個以上:危険!!
出典:NHK「クローズアップ現代」より抜粋
スマホ脳過労という言葉を聞いたことがありますか。脳の情報処理には入力、整理、出力の3つの段階があります。しかし、本来ぼんやりすべき時にスマホを使いすぎることが原因で、脳がオーバーフローを起こして情報処理が追いつかず、血流が減って脳の機能が下がってしまいます。これが「スマホ脳過労」の状態です。
スマホに依存することで、もの忘れが激しくなり判断力や意欲も低下します。スマホから文字や映像などの膨大な情報が絶えず流入し続けることで、情報処理が追いつかなくなるとみられているのです。
人間は受け取る情報を脳の「前頭前野」という部分で処理しており、大きく分けて3つの機能に分けられます。
① 浅く考える機能
② 深く考える機能
③ ぼんやりと考える機能
絶えずスマホを見て情報をインプットしていると、①の「浅く考える機能」ばかりを使うことになり、脳は疲れてしまいます。一方、②③の機能は使われずにフリーズしてしまいます。

では、スマホ脳過労になると、どのような症状が現れるのでしょうか。
・うっかりミスが増える
「浅く考える機能」の処理能力低下により、物忘れやうっかりミスが増える。
・感情コントロール力の低下
「深く考える機能」が低下し、集中力や意欲の低下、イライラしてキレやすくなる。
・自律神経の乱れで身体的な不調も
前頭前野の働きが悪くなることによる自律神経の乱れにより、慢性的な疲れや頭痛、腹痛等が起こる。
では、どのような脳過労の対策を行えば良いのでしょうか。
- スマホを使わない時間を増やす
- ぼんやりとする時間をつくる
- 十分な睡眠時間をとる
スマホやパソコンを使用しないで生活することが難しい世の中です。脳過労の原因は、スマホだけではありませんが、スマホが脳過労を引き起こす危険性を理解し、使い方や時間を工夫して、うまく付き合っていくことが大事です。
デジタルデトックスとは、一定期間スマホやパソコンなどから距離を置いてストレスを軽減させることです。
次のような簡単なことから始められます。
- 起きてすぐスマホをチェックしない
- お風呂、トイレ、寝室にスマホを持ち込まない
- 無心になれる単純作業を行う
デジタルデトックスで得られる効果は次のとおりです。
- 気持ちがスッキリする
- 目の疲れが取れる
- 頭(脳)の疲れが取れる
- 睡眠の質が良くなる
- ストレスが減る
- 安心感が増す
- 想像力(創造力)が高まる
- ひらめきが良くなる
- 五感がさえる
- 幸せな気持ちになれる
メールがきてスマホを見る、ということはスマホを使っているのではなく、スマホに使われている状態です。意識的にスマホから離れて、上手に使っていくようにすれば、悪い影響を少なくしていくことができます。
電車に乗っている時間、友人を待っている時間などにスマホを見ないだけでも新しい気付きがあるかもしれません。すぐに始めてみませんか?

出典:NHK「クローズアップ現代」より抜粋



