あけましておめでとうございます.スターブレインの堀です.
「JUKEN羅針盤」第3弾は大学別の傾向と対策として、東工大を取り上げたいと思います.いわずと知れた東大に次ぐ最難関大で、文系の一橋大と双璧をなす理系の大学です.一般的にいって、あまり癖のない東大の問題に対して、東工大は癖だらけです.これ癖を知っておくことは東工大攻略の上で重要です.
- センター試験は最終合否の判断には使われない!
- 圧倒的な数学重視!
- 昔とは違い、英語も難しくなった!
1.センター試験は最終合否の判断には使われない!
これは非常に大きいポイントです.ほとんどの国立大学では、センター試験と2次試験の合計得点で合否が決まります.事前に決まっている倍率になるように、第一段階選抜(いわゆる足切り)が行われます.
しかし、東工大は
センター試験950点満点のうち、600点を超えれば出願でき、合否は2次試験のみで決まる
のです.センター試験で600点とは得点率に換算するとたったの64%弱です.90%は取るべき東大に比べればセンター試験は重視されていません.つまり、東工大を志望する場合はまさにいまの時期、一般の受験生がセンター試験中心の学習になっている間に2次対策ができる!ということです.もちろん、事前に600点を越えられるだけの準備は必要です.
センター試験が終わると受験生は、私大・2次試験の問題に対応するための勘を取り戻す期間が必ず必要です.東工大に関する限り、センター試験の対策を最低限にしておければそのようなリハビリ期間をとることはないわけです.
2.圧倒的な数学重視!
東工大は2次試験の得点のみで合否が決まるということでしたが、2次試験の配点は数学300点、理科150点×2科目、英語150点の合計750点です.実に総得点の40%が数学で占められています.東大の理系では総得点のうち、数学の占める割合は27.2%です.なお、2018年度の合格最低点は難関の5類(次の入試からは類ではなく、院という名称に再編されます)で444点 (59.2%)です.
数学の傾向については、以下の点が特徴的です.
- 以前ほど微積分ばかりではなくなってきた!
- 整数問題、確率がここ数年必ず1問ずつは出題されている
- 1題ずつが極めて重厚な問題
- 試験時間は東大より30分も長い180分!
まず、保護者の方の世代では「東工大と言えば微積!」というのが常識だったかと思います.もちろん、必ず微積分の問題は出題されていますが、それは他の大学でも同様です.以前の東工大といえば、ほとんどの問題が数学Ⅲ範囲というのが当たり前でしたが、例えば2016年では5題のうち、数学Ⅲ範囲は第5問だけです.2016年はちょっと極端で、それ以降は「他大学に比べればやや数Ⅲが多いかな」程度を推移しています.しかし、整数問題や確率のような離散的な問題も必ず出題されるようになりました.以前は整数問題なんて東工大はそうそう出題していませんでしたが、近年では必ず対策が必要な分野になってきました.また、これは以前からの特徴でもありますが、一題ずつが極めて重厚です.難易度も東大よりも難しい問題もかなり出題されます.なんと、東大が150分6題なのに対して、東工大が180分5題なんです.東大よりも試験時間が長いのに、大問数は少ないのです.
東大の理系とは異なり2次試験に国語はないので「文系科目は苦手だけど理系科目は得意!」という人には東工大はかなりおススメです.
3.昔とは違い、英語も難しくなった!
私が高校生のとき高校の担任の先生から「お前は英語ができないんだから東工大を受けろ」と言われました.東工大なら英語が苦手でもなんとかなるという意味だったのでしょう.確かに、一般的に東工大の英語は易しいということでした.
私は数学・理科の担当なので詳しいことまではお伝えできませんが、素人目にも分かるのは長文化傾向です.2010年度以降は安定して1,000語を超える長文が出題されているようで、語彙のレベルも高いようです.
数学の私が見ていても最近の受験生は英語がよくできます.難関大志望者では「英語はできて当たり前」という風潮があるように思います.
以上のこと以外では、化学は以前に比べて易しくなっています.東工大特有の「正しいものが1つまたは2つある.それを選べ」という正誤問題は健在です.このような形式に慣れておくことも東工大を攻略する上で重要です.
スターブレインでは、受験学年になると志望校を徹底的に研究してピンポイントにその大学に合わせた対策を行います.「センター試験に失敗したから、東工大に志望校を変えた」というような受験生には決して負けない対策を講じています.興味があれば是非、お問い合わせください.
センター試験まであと少し!受験生の皆さんは体調に気を付けて、100%以上の実力を出せるように日々を過ごしてください!