こんにちは!Star Brain Academy の津久井(つくい)です。
前回から始めたシリーズ
「これからの英語の話をしよう」
の第2弾(後半)です。
前回の「文法は必要か?」の内容が増えたので、
2部構成にしています。
後半を始める前に
前半(「文法って必要ですか?」に答えましょう)の
内容を大まかに振り返りましょう。
まず「なぜ文法をやるの?」という
疑問を持つ生徒が多い背景を見ていきました。
結論としては、文法の多くが
教える側の論理にあるため、と推測しました。
次に、一般的に言われる「文法」は
3つの文法をまとめていると触れました。
それは、
文法のための文法(趣味)
読解のための文法(ルール)
品格のための文法(教養)
でした。
今回は、2つ目と3つ目について
話をしていきましょう。
1つ目の「文法のための文法」は
不要である!と批判的に述べましたが、
2つ目に属する「読解のための文法」となると
話は変わってきます。
これは言うならば「ルール」です。
サッカーでボールを手に持ったらどうなるか、
テニスでラケットを使わないでどうするのか。
極端に言うと、あるフィールドにおける最低限のルール。
そういった意味での「文法」もあるのです。
では、英語で必要な「文法」とは?
……となると、詳細は長くなるので
別の機会に譲りますが、
簡単に言うと、次の3つです。
・語句の並び(順番)に意識を持つこと
・カタマリで内容を把握すること(句や節とよばれます)
・名詞、動詞、形容詞、副詞の4つのカテゴリー(品詞)を使いこなすこと
さて、3つ目に属するのは「品格と文法」です。
日本語でも同じことで、
「恥ずかしくない敬語」や
「日本人として知っておきたい日本語」
の類の本は枚挙にいとまがありません。
日本語が話せていても
「正しい」「美しい」日本語を使っているかは別問題。
それと同じことが英語にも言えます。
例えば、次の違いはわかりますか?
1:「百聞は一見に如かず」にもニュアンスの違いがある
1-a. Seeing is believing.
1-b. To see is to believe.
2:「ドアを開けてくれる?」で礼儀がわかる
2-a. Will you open the door?
2-b. Would you open the door?
1は、いわゆる「動名詞」と「不定詞」
2は、いわゆる助動詞の時制です。
ちょっとした時に、こう言った違いがわかると
「おお! お主、分かっておるな!!」となるわけです。
3つめの文法は、言ってしまえば
トリビア(ウンチク)の英語ですね。
でも、こういう小ネタは
授業で話すと結構盛り上がるんです…
さて、毎年恒例の「文法って要るんですか?」という儀式から
文法にも種類があるという話を展開しました。
最後に結論(私見)を述べておきましょう。
文法は格(レベル)の問題です。
格(レベル)が低ければ、文法の必要性は感じられない。
必要な時に、必要なレベルの文法を学べばよい。
繰り返しになりますが、
文法がなくても英語を「使い回す」ことは可能です。
ただ、そこに品格を加えるためには
どうしても文法と言われるものの力が必要です。
その意味において、
「文法って要るんですか?」
と疑問を持っている人は
まだ英語の品格(レベル)が低いのです。
(英語というよりも、言葉に対する意識ですね)
そして、ここから見えてくる問題があります。
それは、
英語教育は[文法=品格問題]に対応できていない
という問題です。
ある程度英語が成熟すると
文法の必要性は自ずと分かってきます。
ですから、スターブレイン アカデミーでは
文法や構文を最初に教えることはしません。
(学校の試験範囲の場合は指導していますが)
特に英語に興味がない生徒は
好きな分野の英文をネットで探して読んだりしています。
すると、不思議なことに生徒の方から
「こういうの(文法)って、やってみたほうがいいですかね?」
と、話を振ってくるのです。
そこがチャンス!
ただ、その際にも提示する文法は
「読解のための文法」に抑えています。
この段階の学習が進むと
これまで読んでいた英文が
“ いい感じ” に読めるようになります。
そこまでくれば、少しだけ品格を上げた
文法を教えます。
こうやって、徐々に文法に慣れ親しむものです。
なおかつ、そのタイミングは
子どもたちそれぞれが持っている
時間感覚に合わせることが重要です。
しかしながら、今ある英語教育においては
各々によって異なる時間感覚を
「一斉授業」で縛りつけるしかありません。
この辺りが、文法嫌いを誘発している原因でしょう。
子どもたちの準備が整っていないのに
興味のないことを無理やり与えれば意欲はなくなる。
さもありなんといったところです。
現状ではある程度仕方ない部分もあります。
学校・予備校・授業という形態がなくならない限り
この問題は解決はしないでしょう。
それでも、なんとか状況を変えるために
できることはないのか?
1つは今回話した
「子どもたちの時間感覚を大事に」ということ。
もう1つは
中学から高校に移る際に見え隠れする
「英語の壁」を紹介して、その解決法を探ります。
ということで、次回の「これからの英語の話をしよう(4)」は
【中学英語と高校英語の壁を越えよ!】
です。
それでは!