こんにちは。スターブレインの堀です。

2024年2月25日に実施された一橋大数学の解答速報をお届けします。

一橋大は5題120分です。例年通り、第1問は整数問題、第5問は確率でした。また、第2問~第4問、座標平面(微積分含む)、ベクトル(特に空間)、数列がほとんどです。本年もほぼこの傾向通りの出題でした。第3問はやや珍しく多項式の問題でしたが、2017年にも多項式の決定問題が出題されています。一見、見たことのあるような問題でしたが、「解いたことがある」だけでは最後までは解けないであろう問題がやや多い印象です。

全範囲から満遍なく基礎~応用までを問う

近年誘導はかなり少ない

というのが一橋大数学の近年の特徴です。難易度は昨年よりやや易でしょう。

第1問 整数の性質(数学A)やや易

昨年と同様で不定方程式の整数解を求める問題です。昨年はC(コンビネーション)でしたが、本年はΣ計算を最初にするというステップが入っています.ここは特に問題はないでしょう.その後の「積の形」に整えることも整数問題では定石中の定石です。その後はある程度しらみつぶしが必要です。今回はm(m+1)が連続している2つの整数なので、そのような約数の可能性を考えます。あとはそこからnを求めるだけです。ある程度、根気は必要ですがしっかり取りたい問題です。

第2問 微積分(数学Ⅱ)やや易

2曲線が直交する条件と面積、最大最小問題の融合です。微積分などの座標の問題では、文字をどのように設定するかで計算量が変わってきます。例えば、最初から2つの交点をα,βなどとおいて計算する沼にはまってしまう可能性が高いでしょう。それでもきちんと式をよくみて条件を数式へ変えていけばやるべきことは明確です。

第3問 多項式(数学Ⅱ)標準

多項式に関する問題は頻出ではありません。また、多くの受験生が苦手とする「(xa)^2で割った余り」についての条件の処理であったため、問題の難易度としては「標準」が妥当ですがあまり出来はよくないかもしれません。なお、下の解答例では数学Ⅱ範囲で済ませていますが、数学Ⅲ範囲の「積の微分法」まで学習していると最後の部分は少しだけ計算が楽にできます。

第4問 ベクトル(空間座標)(数学B)標準

ベクトルは次の入試から数学Cに移ります。当初は「文系からベクトルがなくなるのでは!?」と少しざわざわとしていましたが、結局のところ文系でもベクトルだけ扱うことになっています。さて、本問ですが「A,B,C,Dがひし形の…」という言い回しがちょっといやらしいです。というのは、別に四角形ABCDがひし形になるとは言われていないのです。つまり、四角形ACDBがひし形になる可能性もあるということです。しかし、ちょっと座標がきれいなので図を描いてみたり、ちょっとベクトルの成分計算をしてみると結局,四角形ABCDがひし形になる可能性しかないことが分かります。このように

数学の問題はしっかりとした状況把握が最重要

といえます。

第5問 確率(数学A)やや難

最近は確率漸化式からの出題はかなり減っています。本問も昨年に引き続き、漸化式の絡まない数え上げがメインの問題でした。本質的には「正n角形の頂点から3つ選んでできる鋭角三角形の個数」を求める問題です。この問題はいわゆる有名問題ですので、まったく同じ問題を経験したことのあった受験生も多かったのではないかと思います。ただ、最も数えにくい鋭角三角形でしたので、本番では苦戦した受験生が多かっただろうと予想しやや難としています。色々な数え方がありますので、余事象とストレートに数える方法のそれぞれを記載していますので、是非、それぞれの解法を習得して欲しいと思います。

ということで、今回は2024年の一橋大の解答速報をお届けしました。

他の大学もそうですが「正しい方法で正統的な学習をし、その上で自分の頭で眼の前の問題に対して的確なアブローチができるか」が問われているように感じました。もちろん、基礎を固めるという意味で反復訓練は絶対に必要ですが、その先にある思考力をつける必要があります。

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