こんにちは!

Star Brain Academy の津久井(つくい)です。

 

今回から「教育」について思うところを

まとめていこうと考えています。

 

シリーズタイトルはそのまま

「キョウイクについて考える」ですが

カタカナにしている理由はまたのちに、、、

 


実はいま、スターブレイン アカデミーを紹介するための

「小冊子」を新しく作り直しています。

 

そんなこともあり、これまでに学んだ「教育理論」を学び直し

20年ほど積んできた実践経験をまとめると同時に

塾長 建島とも話をする機会が増えました。

 

「こんな時はどうしていたか?」

「こういう生徒はどう接したか?」

「なぜこうやらないのか?」

 

そうやって疑問をぶつけているうちに

「今やっていることをまとめておこう!」

と思い立ち、新しいシリーズができたという流れです。

 


目次(クリックすると該当場所に飛びます)

 

初回は受験期ということもあり

普段受験生に話している内容を紹介します!

 

 

 
 
 

受験勉強 × 学校のお勉強


 

 

スターブレイン アカデミーでも

近年、総合型選抜(AO入試)や推薦での

受験が増えてきました。

(以下、「AO・推薦入試」と記します)

 

事実、AO・推薦入試の比率は年々高まっています

 

国立では30%を、早稲田大学では60%を

AO・推薦入試で募集する予定とのことです。

 

この辺りの情報は以前のブログ(今がチャンス! AO入試の現状)に

詳細がありますので、興味のある方はご覧ください。

 

さて、AO・推薦入試の相談を受ける際に

頻繁に思うことがあります。

 

それは、いわゆる「勉強」と言っても

2つの「勉強」があるということです。

 

それは、、、

 

  • タスク型勉強  : 与えられたタスクに対する勉強
  • ビジョン型勉強 : 問題を発見して、解決するための勉強

 

です。

 

これらはどちらが「正しい勉強法」というよりは

求められているものと個人の資質によって

バランスをとるべきものです。

 

ただ今後は、ビジョン型勉強が増えていくのかな

という気はしますね。

参考として次の文章を紹介します。

今後は問題を「解決」できる人より、「発見」できる人の価値が増す

ダイヤモンドオンラインより)

 

推薦入試の必要要件にはほぼ

「評定平均(学校の成績)」が必須で

学校の成績の大半は「タスク型勉強」の

優秀さを必要とします。

 

対照的に、総合型選抜(AO入試)は、

書類審査や面接などの対応能力や

考え方のユニークさを測定することも多いです。

 

そう考えると、今後増加するAO・推薦入試に対しては

「志望する大学が求めていること」と

「自分がアピールできる能力」を

しっかりと見定めた上で対策をとる必要があります。

 

 
 
 

フシギな勝ちとフシギな負け


 

 

さて、閑話休題。

 

次の言葉を耳にしたことがあるでしょうか?

 

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

 

野村克也さん(以下、ノムさん)のボヤキ(座右の銘)で

聞いたことがあるという人が多いのではないでしょうか。

 

ノムさんは『論語』がお好きだったようで

この言葉もそこから来ているのだろうと思ったら

調べてみると出典は全く違いました(笑)

 

出典は、松浦清(松浦静山)という

江戸時代は肥前国平戸藩の第9代藩主の言葉だそうです。

 

この言葉は本当に示唆に富んでいますね。

本質を突いている、の方が正しいでしょうか。

 

ビギナーズラック(初心者がたまたま勝つ)や

運ゲー(運で勝負が決まるゲーム)のように

勝敗は時の運に任せる部分がないとは言い切れません。

 

しかし、大事なのは

 

「不思議の負け」は存在しない

 

という態度です。

 

誰しも「負け」は嫌なものです。

しかし、負けたことには必ず原因があり

その原因を突き詰めて行くことで

次に同様の状況になった時に

対処できる力が身につくはずです。

 

対照的に、「勝ち」の場合

その勝ちの要因は多岐に渡ります。

 

こちらの打ち手で勝てたのか

相手のミスで勝てたのか

それとも、ただの運なのか…

 

私たち、特に受験生が本当に見るべきは

「負け」なのです。

 

昔読んだ本に次のようなことが書いてありました。

 

「勝ち」と「負け」の定義を変えよう。

この2つが対極にあると考えるのではなく

「負け」の先に「勝ち」がある、と。

 

 

普通だと「勝ち」と「負け」の関係は、

のように、反対の概念です。

 

でも、本当は違うのではないか?

本当は、「負け」から学んだ先に

本当の意味での「勝ち」がある。

 

私自身も含め、「負け」には敏感になってしまいます。

「失敗」と言い換えてもいいかもしれません。

 

特に、先ほど話した「タスク型勉強」の場合、

与えられたタスクには「正解」があるため

どうしても「正解(勝ち)」「不正解(負け)」という

二項対立に陥ってしまいます。

 

最近の学生は私の世代よりも

「ミスすることへの恐怖」が

大きいように感じます。

(こう書くと歳をとったな、と感じますね…)

 

結果、「こうすれば大丈夫!」といった

成功ノウハウに頼ることになるのでしょう。

 

しかし、その成功ノウハウには

「不思議の勝ち」が入っているため、

同じことをやっても「勝てる」かはわかりません。

 

ノムさん以外にも同様のことを言っている著名人は

数多くいますが、今回はココ・シャネルの言葉を紹介します。

 

退屈よりも大失敗を選びなさい。

 

 

ちなみに私は、この言葉に従って

結構なことをやってしまいました。。。

 

 
 
 

「間違う」を考える


 

 

先ほどの項目では

「”勝ち”ではなく、”負け”が大事」

と話しました。

 

最近、この点に危機感を覚えています。

 

というのも、この頃「◯◯の必勝法」や

「◯◯に合格する親がやってる」、「成功する◯◯」のような

「成功・ノウハウ本」が増えている気がします。

 

確かに、「勝ち」に必要な知識や

備えておいた方が良いものはあります。

 

しかし、ポイントとなるのは

その要素があれば成功するという

単純な因果関係ではなく、

とことんまで考え尽くした上で

試行錯誤を繰り返すという態度です。

 

この辺りの話は、スターブレイン アカデミーの卒業生が

書いてくれたブログを参照ください。

(>>> 間違えは「間違え」じゃない!〜学校生活応援ブログ(20)〜

 

このような成功ノウハウが求められるのも

最初の項目で話した「タスク型」が原因でしょう。

 

スターブレイン アカデミーでの面談でも

「子育て」や「受験」に正解があると信じ

相談をなさる方も多くいらっしゃいます。

 

話は10年ほど前に遡ります。

出身大学を卒業した後に教育を学ぼうと思い、

科目等履修生で教育学部で教職をとっていた時の話です。

 

ある授業で言われたことがあります。

 

問いには3つの問いがあります。

 

1つは、すぐに答えが出る問い。

1つは、時間が立ってようやく答えが出る問い。

そして最後の1つは、答えのない問い。

 

3つ目の問いが意識できれば

君たちはいい先生になれますよ。

 

10年ほど時間はかかりましたが

当時の担当教員の伝えようとしていることが

なるほど心に沁み入ります。

 

とかく「正解」が求められる受験にあって

これから必要となるのは、「正解のない問い」です。

それが「キョウイク」なのかなと思う今日この頃です。

 

 

さて、今回から初めた「キョウイク」シリーズ。

まがりなりにも20年ほど教育に身を置いてきて

少しずつ自分なりの「キョウイク」の輪郭が

見えてきた気がします。

 

これからも、少しずつ形にしていこうと思います。