こんにちは。スターブレインの堀です。

「大学入試改革が以前から始まっているとは聞いているけど、自分たちのときとは何が違うの?」と感じている保護者の方へ向けて、親世代の入試とこれからの入試がどのように違うのかを整理していきたいと思います。

 

推薦入試はすべての受験生に可能性あり!

一昔前であれば

推薦入試=「学校の成績がトップの子のための指定校推薦」+「スポーツ・芸能などの一芸入試」

というイメージではなかったでしょうか。ところがいまや大学入学者全体に占める割合は50%を超えました。

推薦入試の種類は以下の通りです。

指定校推薦は大きく変化していませんが、公募推薦、総合型選抜は募集定員も年々増えており、特に総合型選抜では高校ごとの人数制限はありませんから、視野に入れておきたい方式です。

総合型選抜について詳しくは以下のブログを参照ください。

見えてきた総合選抜型入試(旧AO入試)のポイント

 

センター試験とは全く違う!共通テストとは

センター試験が「知識・技能」に偏った出題をしており「思考力・判断力・表現力」を評価できていないということが大学入試改革の始まりのひとつのきっかけでした。「知識・技能」だけでなく「思考力・判断力・表現力」もしっかり評価できるようにしようとしてセンター試験に代わりスタートしたのが共通テストです。試験の立ち位置として、センター試験と同じく国公立大の一次試験と私大の共通テスト利用入試の側面があります。また近年では、英語だけは共通テストの成績を使用するという型の私大も現れてきました。センター試験との内容面・形式面での違いは以下の通りです。

  • 全科目とも文章量が大幅に増加
  • 英語
    • リーディングとリスニングが各100点に(ただし、大学によって割合が変化することが多い)
    • 英語では、発音・アクセント・語句整序問題はなくなった
    • リスニングの読み上げ回数が一部少なくなった
    • センター試験よりも多様なタイプの文章が出題されるようになった
  • 数学
    • 数学ⅠAが60分から70分になった(2025年度からⅡBCも70分へ)
    • 日常的な事象への数学の応用が問われるようになった(つまり、普段の教科書や問題集にはないタイプの問題への対応が必要
    • 登場人物が対話しながら議論していく形式の問題の登場(要読解力)
    • センター試験のような計算問題だけでなく定量的な考察も必要
  • 国語
    • センター試験と近いが、複数の資料を関連付けて読解する必要がある
    • 共通テスト実施前の試行調査では「契約書」などの文章もあった
  • 理科
    • 身近な物理現象の考察や初見の実験における考察力など思考力を問われる問題が各科目で増加した
  • 社会
    • 問題中の資料と知識を合わせて思考するタイプの問題が増加
    • 高校生による「探究」を想定した場面が多く、その中の会話やメモなどを読み解く必要がある

英語の4技能を評価するため、英検などの外部検定試験を使用する案もありましたが、公平性の観点から中止になっています。また、数学と国語で記述問題を出題するという試みも技術的な問題から実行はされていない状態です。

さらに、2025年度入試(2023年現在高校2年生の方が受ける入試です)より新学習指導要領となるため以下の変更点があります。

  • 数学ⅡBは数学ⅡBCとなり、分量増に伴い試験時間が60分から70分になる
  • 国語は現代文の大問が1題増え80分から90分になる
  • 情報という新しい科目が新設され、国立大志望者は必須になる(国立大は5教科7科目から6教科8科目が原則に)

以上のように、昔のセンター試験であれば「2次私大の対策をしている科目は特別にセンター試験のための勉強は不要」でしたが共通テストでは「しっかり過去問や予想問題集(模試の過去問)などを通して、問題の形式に慣れ、思考力・応用力をつけることが必要」に変わっています。

 

一般入試験はどう変わったか

一般入試は形式こそ変化していませんが、推薦入試の定員増と共通テストの登場に伴って合格する受験生の印象が変わってきたように感じています。ここは、あくまで堀個人の感想によるところが大きいですが、似た印象を抱いている講師も多いと思います。

① 私大の定員厳格化の影響

以前は定員の1.3倍以下の学生数であれば国からの補助金の交付を受けられたものが、2018年度には1.1倍という基準まで下げられたのが私大の定員厳格化です。これによって大学側は正規合格者を絞り、入学辞退者の人数から追加合格を出すという状態になりました。これにより、模試でA判定の滑り止めに落ちる受験生が続出するという事態が起こったわけです。もちろん、大学は定員数の1.1倍に届かなければ追加合格者を出しますが、それを例えば3月下旬に言われたところですでに別の大学の入学手続きをしている人も多いわけです。

これが2023年度入試から緩和され「1学年ではなく4学年全体でみる」ことになりさらに経過措置として2023年度は1.3倍、2024年度は1.2倍、2025年度には再び1.1倍となります。これによって大学側の管理としては負担が減るのだと思いますが、受験生側としては志望大学の現在の在籍者数なども見た上で出願しないとまた以前のような、偏差値ランクと合格難易度が釣り合わない大学を受験してしまうことになります。

② 大学ごとの色

私が担当としている数学の場合、いまの大学入試問題は難しすぎると思っています。過去に最難関大で出題されていたような問題が、定型問題ということで参考書などに紹介されるようになり、段々と上位から下位の大学へ下っているのです。MARCHなどの受かりにくさは①に加えて「どんどん入試問題が難しくなっている説」が大きいと感じています。では、最難関の東大・京大・東工大・一橋大などはというと、やはり定型的でなく思考力を問う問題を頑張って生み出そうとしています。すると、より細分化していき大学独自色が強くなってきます。そのためか、以前であれば「東工大に受かるなら早慶は受かるに決まっている」は常識だったかもしれませんが、いまや「東工大と早慶では傾向がまったく違うから、それぞれごとの対策をしなければ東工大に受かっても早慶に落ちることは十分にある」というのが当たりまえになりつつあります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。色々と細かい変化を述べてしまったかもしれませんがまとめると、大学入試改革と少子化も相まって

確実に昔よりも大学受験は二極化・多様化し、難関大の競争は激化している

ということになります。

したがって

早めの長期プランの作成、特に推薦入試・難関大志望の場合は高1・高2の時間の使い方が重要

になってきます。

スターブレインでは、すべてのタイプの入試に対応が可能です!もしいま「総合型選抜は魅力的だけど、活動歴や志望理由書、小論文などが作れるか心配」「医学部を目指しているけど、部活もしっかり頑張りたい。いま何をするべきか」などお悩みでしたら、是非スターブレインにお話しをお聞かせください!