こんにちは!

Star Brain Academy の津久井(つくい)です。

 

 

2025年度から新課程の入試制度が始まります。

共通テストの科目に「情報」が追加されるなど大きく入試制度の変更が予想されます。

 

ただ、スターブレインで保護者の方と面接する際には

AO入試(今は「総合型選抜」)とか推薦入試って

どうなっているのですか?

 

子どもの受験はどういうのがオススメですか?

 

という現在の入試に関しての質問が多くされる印象です。

(当然と言えば当然ですね)

 

そこで今回のブログでは、最近流行りの「総合型選抜(旧AO入試)」について

お話をしたいと思います。


目次(クリックすると該当場所に飛びます)

 

ここでは、総合型選抜を含めた入試制度の特徴3つを見ていきます。

なお、このブログでは総合型選抜(旧AO入試)と推薦入試をまとめて、「総合・推薦入試」と呼ぶことにします。

早速1つ目の内容から見ていきましょう。

 

時代は総合・推薦入試にシフト! 定員の半数以上を占める大学も!

 

 

冒頭の質問が出てくる背景には3つあります。

  • 教育への関心が高まっている
  • 入試制度が保護者世代と大きく変わっている
  • 推薦・総合型選抜の特集がされている

 

教育への関心は時代を超えて高いものかもしれません。

以前のブログにて「教育は一億総評論家状態」と紹介しましたが

現在は「親の高学歴化」「一人っ子の増加」など

関心の高さを促進する要素も多くあります。

(以前のブログは「『学力の経済学』を読んで(1/3)〜キョウイクについて考える(3)〜」をご覧ください)

 

さて、入試制度の変更に伴って

様々なメディアで特集がなされていることは

感度の高い方はご存知と思います。

 

ここで、具体的なデータを紹介したいと思います。

皆さん、現在の総合・推薦入試と一般入試の入学者比率をご存知でしょうか。

 

文科省発表資料によると一般よりも総合・推薦等の入試の割合が大きくなっています(2022年度入試)。

 

文部科学省「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」報告書 p22より抜粋

 

上図の数値を合計すると、

総合・推薦入試 : 50.3%(上図のオレンジ+グレー)

一般入試    : 49.7%(上図のブルー)

 

ちなみに、総合型選抜(AO入試)調査が開始された2020年との比較はというと、

 

文部科学省「【参考資料2-4】大学入学者選抜関連基礎資料集 第4分冊(制度概要及びデータ集関係)(その4)」p.80より抜粋

 

総合型選抜(当時は、AO入試)の調査が開始されたのは2000年(平成12年度)。

ちょうど私の入試の時期と重なりますが、当時は一般入試が当たり前でした。

 

事実、一般選抜が入学者の3分の2を占め

総合型選抜(AO入試)は1.4%(8,117人)に過ぎません。

 

時は流れて2020年度(令和2年度)。

総合型選抜(AO入試)は10.4%(65,041人)に増加しています。

増加率は、比率で約7.5倍、人数で約8倍です。

 

推薦入試も増加していますが、増加率は高々1.2倍。

一般入試に至っては割合が15%も減っています。

 

もう1つ衝撃の事実(?)を紹介します。

早稲田大学・政治経済学部では、実に61%以上が総合・推薦等で入学しています。

定員900名に対して、一般入試(個別・共通テスト利用)の募集人数は350人です。

 

 

早稲田以外でも、慶応・上智などの最難関私大も、

今後6割程度が総合・推薦入試等で占められると予想されています。

(附属校からの進学も含みます)

 

なお、スターブレインでは過去にも総合・推薦入試の記事を書いています。

興味がおありの方は、以下も合わせてご確認ください。

 

【過去のお勧めブログ】

こんなにも違う!親世代の大学入試とこれからの大学入試

見えてきた総合選抜型入試(旧AO入試)のポイント

 

評定4.0以上は大チャンス! 学校の頑張りを入試に生かせる

 

 

2つ目の項目は「学校の成績」です。

学校の成績と入試問題には大きな隔たりがあり、

面談でもよく相談を受けます。

 

具体的には、以下の3つのステップがあります。

STEP1:学校の定期試験、成績

↓

STEP2:模試、検定試験

↓

STEP3:入試問題、大学別対策

 

最初の隔たりは「学校→模試・検定」です。

学校の定期試験は、期間中の内容を暗記することが求められます。

場合によっては、学校の成績が良い=暗記型の勉強となっていることもあります。

 

こうなると、検定試験はまだしも、模試となると手が出なくなります。

模試は範囲も広く(時には全範囲)、形式も多様です。

 

さらに、入試問題となるとキレイな問題だけではありません。

ただ単に難解な知識を聞いたり、いわゆる悪問も散見されます。

 

大学によっても傾向が変わります。

早慶と一括りに言っても早稲田と慶応は求めるものが全く違います。

早慶の理工学部を例に取ってみます。

 

◆慶応大・理工

慶応大は2023年度で傾向が変わりました。

特に大問4が本格的な記述式になったのはなんと30年ぶり!

 

◆早稲田大・理工

早稲田大で伝統的なのは大問5。

そもそも以下の問題の指示がお分かりでしょうか。

一度考えてみてください。

 

語彙問題ですが、答えになる語彙が解っても解答の方法をちゃんと理解しないといけません。

例えば、wiseが解答の場合、与えられたwの後ろはi・s・eです。

表によると、iは2番、sは3番、eは1番です。よって答えは、w231になります。

 

過去問で慣れていれば良いのですが、年度によって変更の可能性もあります。

臨機応変に対応できる訓練が必要となります。

 

 

同時に、学部間でも問題の傾向は異なります。

慶応を例に見ていきましょう。

 

◆慶応大・法

法学部はマーク式です。

大問1は語彙問題。前後の単語と共通してつながるものを入れる問題です。

 

大問4はインタビューのQ&Aが並んでいます。

インタビューの流れを考えて、適切な順番に並び替えます。

◆慶応大・文

文学部はマーク・記述式です。

なんと長文は1題だけ。そして、辞書の使用が可能!!

語彙力の問題よりも、適切な解答が作成できるかが大事な問題です。

 

 

◆慶応大・経済

経済学部もマーク・記述式です。

何より驚きなのが、大問5。いわゆる自由英作文です。

しかし、ただの自由英作文ではなく、大問1〜4の内容を解答に組み込む必要があります。

入試問題自体が、試験問題でもあり、資料にもなっているわけですね。

大学に入った後を想定した、より実践に近い形式といえます。

 

 

さて、途中から入試問題の分析になってしまいましたが

ここでお伝えしたかったのは、入試問題は分析・対策が大変ということです。

 

 

同じ学部でも、早慶で全く問題形式が違います!

同じ慶應大でも、学部によって求めるものが違います!!

 

もちろん、相当な学力がある場合は

実力で多くの大学・学部の傾向に対策できるでしょう。

 

しかし、学校→模試→入試の隔たりに悩んでいる多くの受験生にとっては

ターゲットを絞り込み、より深く対策をする必要があります。

 

人によっては、そのターゲットが

 

学校の成績が良いから、総合・推薦入試を目指す!

 

でも良いわけです。

 

“成績が良い” の目安は、評定平均4.0以上。

4.5以上ある場合は、かなりアドバンテージがあると考えて良いと思います。

 

 

浪人生と対等以上の勝負が可能! 時間の差・学力差を逆転できる

 

 

一般的に浪人生の勉強時間は10時間、医学部志望だと13時間と言われます。

 

例えば駿台の高卒コース(国公立理系特化コース)で紹介されている

モデルケースを見てみると。。。

(https://www2.sundai.ac.jp/kousotsu/assets/pdf/kokkou_exm.pdf)

 

  •  7:00〜 7:30 登校前の自習(1.5h)
  •  9:00〜17:40 駿台の授業(約8h、昼食50分は別)
  • 18:00〜19:00 自習室で勉強(1h)
  • 20:00〜21:00 自習時間、質問(1h)

 

合計12時間程度の勉強をしていることがわかります。

 

これは理想のモデルケースではあります。

時間的にはもっとやっている人もいれば

効率的に勉強して時間は短いという人もいます。

 

ただ、総合して言うと現役生が学校に通う間も浪人生は予備校で勉強しており、

浪人の圧倒的な勉強時間の差、そして学力の差が発生するのは仕方ありません。

 

しかし、総合・推薦入試ではむしろ現役生の方が有利に働きます。

 

早稲田大学政治経済学部を例に取ってみましょう。

全体での「現役:浪人比率」は、約70.0%:約30.0%です。

 

早稲田大学発表資料より(https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2022/08/2022_2.pdf)

 

浪人生が多いイメージの早稲田大学ですが、

他の私立大学と同様、現役と浪人の比率(現浪比)は7:3あたりに落ち着いています。

 

合格者となると、3:1で現役生の割合が多いのが現状です。

早稲田であっても、現在は現役生の割合が大きくなっています。

さらに、総合・推薦等での現役生の比率は90%前後と推定できます。

(早稲田大学、附属高校発表資料よりスターブレインが独自に算出)

 

ちなみに、総合型選抜を受験する場合は、以下のような条件が求められます。

  • 学校の成績(評定平均)
  • 活動履歴(校内活動、ボランティアなどの課外活動)
  • 自己推薦書(将来の夢、やりたいこと、大学での抱負など)
  • 学校長などの推薦状
  • 英語外部検定試験の結果
  • 面接(集団面接、個別面接、討論)
  • 学科試験(小論文、英語など)

 

最近は、総合型選抜や推薦でも学科試験を課す大学が増えてきました。

理由は単純で、総合・推薦入学者の基礎学力が不足していたのです。

 

その傾向が変わってきたのが、2010年ごろです。

当時私は、推薦入試で有名な塾で指導していました。

 

スタッフの人と話していると、次のような状況が明らかになってきました。

通常ならば合格していた生徒が不合格になっている。

 

時代の流れに敏感な慶應大あたりで合格基準が上がっていたのです。

 

そのあたりから、いわゆる「一芸入試」と揶揄されていた総合型選抜が

より実践的な能力を備えた人物を採用する入試へと変わってきています。

 

企業で人事担当や育成に関わっていた方は

「推薦入学者は使えない」と批判されていたことをご存知かもしません。

 

ですが時代は変わり、現在では総合型選抜入学者が成績の上位を占めている大学も多くあります。

 

「総合型」を制す者が大学入試を制す(AERA, 2022年7月11月号)

 

AERA2011年7月11日号では「『総合型』を制す者が大学入試を制す」と特集がされています。

この中で紹介されているのは東北大。

 

一般入試で入学した学生よりも、総合型選抜(AO入試)で入学した生徒の方が

GPA(大学の成績を数値化したもの)が高いというデータが紹介されています。

 

「総合型」を制す者が大学入試を制す(AERA, 2022年7月11月号, 11ページより抜粋)

 

上記の青が一般入試、オレンジ・赤が総合型選抜(画像ではAO)です。

明らかに、青(一般入試)よりもオレンジ・赤(総合型選抜)の方が成績が良いことがわかります。

 

 

以上のように、総合型選抜は現役生にとっての入学のチャンスも高く

入学後の成績向上の確率も高い魅力的な入試制度なのです。

 

もちろん、前述のように総合型選抜(AO入試)は

書類作成や面接対策など、通常では対策がしづらいと感じる部分もあるかもしれません。

 

しかし、適切な対策を講じればむしろ大きなチャンスにつながります。

現役生こそ、総合型選抜(AO入試)を利用して逆転勝利を狙うことができます。

 

以前のブログで詳細を紹介していますので、こちらもご覧ください。

見えてきた総合選抜型入試(旧AO入試)のポイント